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トップ > 一般診療の方 > 放射性ストロンチウム(89Sr)「メタストロン®」を用いた難治性がん性疼痛緩和療法

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放射性ストロンチウム(95Sr)を用いた難治性がん性疼痛緩和療法


<はじめに>

がんが進行してきますと、骨転移などにより痛みが生じます。 この為、日常生活動作が低下し、生きる質の低下を招きます。このような骨転移によるがんの疼痛緩和に対して行う放射性ストロンチウム療法に我々は積極的に取り組んでおり、その実施件数は2009年12月時点で日本一を誇っています。

<ストロンチウムとは>

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ストロンチウム(Sr)

ストロンチウムは金属で、花火の赤い色はこのストロンチウムが燃える色です。この物質は骨を作っているカルシウムと似た性格を持っています。このため、体内に入るとカルシウムと似た動きをします。このうち、β線という放射線を出すストロンチウムが今回の主役です。


<放射性ストロンチウムを用いたがん疼痛緩和療法>

ストロンチウムが作用する機序は未だ正確にはわかっていませんが、以下のように考えられています。放射性ストロンチウムを体内に投与しますと、骨代謝の盛んな組織に分布し、そこから約2mmの範囲(最大8mmの範囲)に放射線を放出します。骨代謝が盛んな組織は、多くの場合、がん組織と接していますので、がん組織は約50日間連続的に放射線を照射されることになります。この結果、放射線治療と同じような形でがんの代謝が低下したり、小さくなると考えられています。 そのために腫瘍の圧迫などが減少し、痛みが軽減すると考えられています。

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<がん疼痛緩和療法の実績>

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【図1】

【図1】にストロンチウム投与後の効果についてまとめました。 約半数(46%)の方で麻薬や鎮痛剤の使用が無くなり、約4割(36%)の方で麻薬や鎮痛剤の使用量を減少させることができました。

それでは具体的な症例をみていきましょう。

症例1は原発不明がんの症例です。肩や背骨が黒く見えるところは転移があり、骨が溶けています。一回目のストロンチウム投与1ヶ月後ではその集積は少なくなっています。

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症例1

▼この症例の患者さんの声を紹介します。

症例2は前立腺がんの症例です。がんに集まる放射性物質を使って画像をとっています。赤い放射能の集積(がんへの集まり)はストロンチウム投与一ヵ月後には、淡い集積に変わっています。

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症例2

このように、時には治癒と思われる症例も散見されますが、がんの進行により少しずつ重症化する例が多くの場合みられます。

症例3は乳がんの多発性骨転移の例です。4回目の投与後の方がストロンチウム投与前より黒いがんの部分が全身に増えています。図2にこの患者さんの経過を示しました。ストロンチウムの複数回投与で痛みは徐々に少なくなり、骨の代謝の指標であるALPという酵素も減少しています。図の左下にある青と黄色は、青色(麻薬オキシコンチン)/黄色(痛み止めロキソニン)は投与している量と期間を表しています。ストロンチウムを開始してから7ヵ月後の2月上旬には痛み止めを中止できています。

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症例3

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図2

このように、ストロンチウムは麻薬や鎮痛剤の量を減らしたり、服用しなくてもいいようにして生活の質(QOL)を向上することが目的で、必ずしも余命を伸ばすのに役に立つわけではありません。

<ストロンチウム療法の適応と申し込み方法>

適応としてはまず次の項目を満たしておかなくてはなりません。
1)骨転移があること
2)貧血がないこと
3)末期でないこと
が必須です。

こまかな条件はこのホームページの医療関係者向け用のページに書いてありますので、主治医に相談してみて下さい。全体としての流れは【図3】のようになります。

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【図3】

お医者さんから、データをいただいた後、我々の施設で適応があるかを判断します。ストロンチウム投与ができそうだと判断すると、一度来院していただき、細かな検査を行い最終的に投与するかどうかをその日のうちに決めます。その後1週間以内にはストロンチウムの投与を行います。

<ストロンチウム投与の実際>

ストロンチウムの投与は、外来で注射するだけですので、入院する必要はありません。1週間程度はトイレの水を二度流すなど生活に注意が必要ですが、それ以降は特別な生活上の注意はありません。

<ストロンチウム投与後の経過>

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【図4】

【図4】はストロンチウムを投与してから痛みがどのように低下していくかを表したものです。痛みが軽くなるのは2週間目から1ヶ月くらいかかります。その後、2ヶ月目まで痛みが軽くなり、2ヶ月目以降はまた、ゆっくり痛みが増してくる例が多いようです。3ヶ月を過ぎますともう一度投与が可能です。当院では2ヶ月目の除痛効果を維持できるようにすることを目標にしています。2回目の投与では1回目の投与より痛みは低下していきます。3回目、4回目になりますと痛みの低下の具合は、やや悪くなっていくようです。

1/3の患者さんで1週間目頃に痛みが増強する現象が認められますが、1-3日で治まるのが普通です。必ず治まりますので痛みが増強する間だけ、麻薬の増量などで対応しています。

<ストロンチウムの副作用>

大きな副作用は貧血です。その他、白血球が減ったり、出血しやすくなります。一般的にその程度は軽いので、あまり心配する必要はありません。

<最後に>

ストロンチウムは症例を選択すれば、痛みをとる強力な武器となります。現在麻薬による疼痛緩和が広く行われるようになってきました。しかし麻薬で腸の運動が悪くなり、便秘などがひどくなるとその量が増やせなくなります。麻薬が増やせない場合などにはストロンチウムを併用することで楽になる場合があります。

お気軽にまずは主治医の先生にご相談いただけると幸いです。

<参考文献>

  • 山口 慶一郎 ”放射性ストロンチウム(89Sr)複数回投与骨転移疼痛緩和療法の
    初期成績”;臨床放射線 Vol 54(12) 1649-1657, 2009
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