病院について

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 65 197 315 896 1,894 4,212 5,942 3,906 918
 地域の様々な医療機関より患者さんのご紹介をいただいており、地域医療支援病院として地域医療の中核的な役割を果たすべく、救急患者さんを積極的に受け入れております。その結果、幅広い年齢層の患者さんが入院しております。
 当院は循環器・消化器・呼吸器に特化しており、それぞれの領域で高度先進医療を提供しておりますが、産科と小児科はありませんので、0-9歳の患者さんの受診はありません。
 10歳・20歳代の若年層は主に呼吸器外科では自然気胸の手術、呼吸器内科では肺炎・睡眠時無呼吸症候群、肝臓内科では非アルコール性脂肪性肝炎・急性肝炎、消化器内科では細菌性胃腸炎、消化器外科では急性虫垂炎の手術、循環器内科では心房中隔欠損症・発作性上室性頻拍での入院が見られます。
 60歳以上の患者さんが全体の8割を占めており、この年代では呼吸器センターでは肺癌、消化器センターでは胃癌・直腸癌・結腸癌、肝臓内科では肝臓癌といった悪性新生物の患者さんが主体になっています。心臓血管センターでは狭心症および胸部・腹部大動脈瘤の患者さんが多くなります。
 過去のデータと比較して年齢階層別の患者分布に大きな変化は認めません。

患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示しております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺癌 検査入院(肺生検)あり 598 2.46 3.34 0.00% 70.81

気管支鏡検査

030250xx991xxx 睡眠時無呼吸症候群 検査入院(終夜睡眠ポリグラフィー)あり 328 2.00 2.03 0.00% 58.43

睡眠時無呼吸症候群

040040xx99040x 肺癌 化学療法あり 243 4.77 9.59 0.00% 67.63

化学療法

040040xx99090x 肺癌 ニボルマブ等あり 221 6.29 10.20 0.00% 67.53

免疫チェックポイント阻害薬の併用療法(当日投与)

免疫チェックポイント阻害薬の併用療法(翌日投与)

040110xxxxx0xx 間質性肺炎 手術なし、処置なし 182 10.99 18.84 4.40% 70.81

間質性肺炎

肺癌:呼吸器内科では肺癌の患者さんが最も多くなっています。気管支鏡検査を目的とした入院や化学療法、放射線治療目的の入院などがあります。化学療法では、通常の抗癌剤治療に加え、分子標的治療や免疫チェックポイント阻害療法など幅広く行っています。

睡眠時無呼吸症候群:簡易検査など行い、睡眠時無呼吸症候群が疑われる方で、睡眠ポリグラフ検査(PSG)にて睡眠中の呼吸状態の評価を行うための入院です。評価によって、経鼻的持続陽圧呼吸療法(CPAP)や下あごを前方に移動させる口腔内装置(マウスピース)を使用して治療することもあります。

間質性肺炎:気管支鏡検査を目的とした入院や慢性的に進行していく時や急速に症状が悪化する(急性増悪)時の治療目的の入院があります。治療としては、急性から慢性期と幅広く、画像や症状を鑑みて抗炎症薬や抗線維化薬などを検討しております。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺癌 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等あり 231 8.84 11.51 0.87% 69.32

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

040200xx01x00x 気胸 胸腔鏡下肺切除術あり 69 9.20 10.18 0.00% 31.68

気胸・手術あり

040200xx99x00x 気胸 手術なし、処置なし 48 5.79 9.11 0.00% 35.02

気胸・手術なし

040310xxxxxxxx 肺内炎症性腫瘤等の呼吸器障害 胸腔鏡下肺切除術あり 12 11.67 10.53 0.00% 60.33

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

040110xxxxx0xx 肺肉芽腫 胸腔鏡下肺切除術あり 18.84

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

【胸腔鏡手術について】
 肺病変および縦隔病変の外科治療を担当しています。
 その特色は、テレビモニターを見て手術を行う”完全胸腔鏡下手術”を9割以上の症例で行っている施設であることです。この方法は、小さい創部が3か所だけの”低侵襲”な方法であると同時に、モニターで拡大視し”安全”に行えることで、『平均術後日数』が少ない=患者さんの負担が少なく回復が早いという大きなメリットとなっております。技術は必要ですが、当院ではこの方法をいち早く取り入れたことで、ここまで十分な実績と経験を積んでおり、安心して沢山の患者さんにその治療を受けて頂けると考えております。

【肺癌について】(『肺癌 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術等あり』に相当します)
 肺癌では、病状と患者さんの状態に応じて、切除範囲を決めています。一番多くは標準手術である「肺葉切除」で、これをほとんどの患者さんに対して、上記の「完全胸腔鏡下」に安全に行い、早期社会復帰を実現しております。
 一方、肺癌でも病変が早期と考えられる場合や、ご高齢の場合、あるいは呼吸機能が悪い場合などは、標準手術ではなく、術後の肺活量を温存するために、切除範囲を少なくした”縮小手術”=「部分切除」や「区域切除」も積極的に行っています。他の癌の肺転移に対しても、積極的に切除も行っております。ご高齢や呼吸機能が悪くても、可能な手術をご提案致します。
 さらに、術後もそこで終わりではなく、必要に応じて当院呼吸器内科で化学療法の追加を考慮し、切れ目のない治療を提供しておりますので、当院にいつでもご相談下さい。

【気胸について】(『気胸 胸腔鏡下肺切除術あり』・『気胸 手術なし、処置なし』に相当します)
 肺嚢胞性疾患(気胸など)の入院も多く、ほとんどが胸痛・呼吸苦などの急病として症状が出ます。75%の患者さんは全例が完全胸腔鏡下で手術がなされており、早期の安全な退院が見込まれます。一方、手術を希望されない方や初回入院で原因病変が明確でない方、肺気腫などで肺の状態の悪い方は経過観察(保存療法)となりますが、気胸を繰り返す方が50%程度にみられるため、再発時は手術を考慮しています。当院では24時間体制で受け入れ態勢をとっており、また個々の患者さんの状況に応じて治療法をご相談できますので、いつでも安心して受診頂けます。

【肺癌が否定できない肺のしこりについて】(『肺内炎症性腫瘤等の呼吸器障害 胸腔鏡下肺切除術あり』・『肺肉芽腫 胸腔鏡下肺切除術あり』に相当します)
 様々な検査で肺にしこりが発見され、肺癌が否定出来ない方にも診断および治療を兼ねた手術を行っております。限局した肺炎の痕(炎症性肺腫瘤)や特殊細菌による感染(肉芽腫)が時に見つかります。肺癌とは違い元来良性疾患なので、他の正常部分を可能な限り残し、術後の肺活量を温存する方法を可能な限り考えます。手術中に病理専門医に依頼して、その場で診断し病変を完全胸腔鏡下に切除するので、不安のない術後をお過ごし頂いております。 

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循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症 検査入院(心臓カテーテル検査)あり 1,543 2.15 3.01 0.39% 68.93

心臓カテーテル検査(上肢アプローチ)

心臓カテーテル検査(下肢アプローチ)

050050xx02030x 狭心症 経皮的冠動脈ステント留置術等あり、心筋シンチグラフィー検査あり 556 6.62 9.54 0.18% 70.26

冠動脈インターベンション手術(橈骨アプローチ)

冠動脈インターベンション手術(下肢アプローチ)

050070xx01x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術(ABL)あり 536 5.40 5.02 0.37% 64.28

経皮的カテーテル心筋焼灼術

050070xx99000x 頻脈性不整脈 手術なし、処置なし 522 3.61 7.56 1.34% 71.59

薬剤的・電気的除細動(頻脈性不整脈)

050170xx03000x 閉塞性動脈疾患 四肢の血管拡張術・血栓除去術(PPI)あり 225 4.21 5.34 0.00% 74.22

末梢動脈疾患カテーテル治療

狭心症・心臓カテーテル検査入院
 狭心症は、心臓に栄養を送っている血管が細くなることで十分な血液が心臓にいきわたらなくなり、心臓機能の低下をきたす疾患です。狭心症の診断のためには冠動脈CT検査とともに心臓カテーテルによる精密検査が必要です。当科ではこれらの診断、治療に力を注いでいます。検査は患者さんの負担を減らすため、手首からカテーテルを挿入する方法をとっています(検査後の安静が不要になります)。苦痛の少ないカテーテル検査を目指しています。

狭心症 経皮的冠動脈形成術
 心臓カテーテル検査にて狭心症と診断された場合、治療として経皮的冠動脈ステント留置術が選択されます。冠動脈ステント留置術は主に手首の血管からカテーテルという細い管を通し、狭くなった冠動脈の拡張を行います(冠動脈にステントを留置し血管を拡げます)。治療は、カテーテルの挿入を下肢の血管から行う場合と、手首の血管から行う場合の2通りありますが、当科では患者さんの苦痛の軽減のため手首の血管からの治療を第一選択として行っています。

頻脈性不整脈
 狭心症だけではなく、不整脈(頻脈性)の患者さんの受け入れも行っています。頻脈性不整脈は昼夜を問わず急に起こることが多く(急に心臓がどきどきしてくる)、これらの疾患に対しても24時間体制で受け入れを行っています。頻脈性不整脈の患者さんの治療は、お薬で行う場合や、経皮的カテーテル心筋焼灼術にて治療する場合など、それぞれの病状に応じた治療を選択します。経皮的カテーテル心筋焼灼術とは、不整脈の原因となる異常信号が出ている部位(心臓内)を特定し、カテーテルを用いて焼灼する治療です。この方法にて根治が可能となり、頻脈性不整脈の治療としては欠かすことが出来ないものとなっております。

閉塞性動脈硬化症
 ”歩くと足が重くて歩けなくなる””つま先にできた傷がなかなか治らない”は足の血管が狭い、若しくは閉塞しているために血流不足になっている病気が考えられます。このような病気に対しても体の負担が少ないカテーテルで血管の流れを改善することができます。足は第二の心臓とも呼ばれ元気な足をもつことは健康にとっても、とても重要です。当院の循環器内科では、心臓だけでなく足の診療も行っています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx01010x 弁膜症 弁置換術等あり、中心静脈注射等あり 84 19.58 23.77 2.38% 66.23

弁置換術・形成術(術前)

弁置換術・形成術(術後)

050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術あり 63 10.67 11.75 9.52% 74.86

胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(術前)

胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(術後)

腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(術前)

腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(術後)

050161xx97x10x 解離性大動脈瘤 開胸手術あり、中心静脈注射等あり 40 23.83 27.88 22.50% 68.25

人工血管置換術(術前)

人工血管置換術(術後)

050050xx0101xx 狭心症 冠動脈、大動脈バイパス移植術あり、中心静脈注射あり 34 18.12 22.71 0.00% 69.21

冠動脈バイパス術(術前)

冠動脈バイパス術(術後)

050163xx01x10x 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 開胸手術あり、中心静脈注射あり 30 24.03 28.02 6.67% 67.33

人工血管置換術(術前)

人工血管置換術(術後)

弁膜症・弁置換術
 心臓には4つの弁があり、この弁が狭くなる、あるいは逆流をおこすために心臓に負担がかかっている状態を弁膜症といいます。はじめは、何ら症状はありませんが、体を動かした時、例えば駅の階段を上る時、長い坂道を歩いてのぼる時などに、息切れ・動悸などを自覚するようになります。ゆっくりと進行することが多く、逆に症状に気づきにくいことが多いようです。
 弁膜症は進んでくると、心臓手術が必要となりますが、手術をいつするか、タイミングも重要となります。いずれ、早い段階で専門的診察と評価を受けておくことが大切です。
 当院では、循環器内科で多くの患者さんの評価を行い、適切な時期に適切な治療を行なっています。特に最近では、外科的手術のみでなくカテーテルによる弁膜症手術も行われるようになり、当院では患者さんの状況に応じて、治療法を選択することが可能です。
 
非破裂性大動脈瘤・腸骨動脈瘤
 心臓から流れでた血液は、直径2〜3㎝程の大動脈という太い血管を通って、全身へ流れていきます。この大動脈という血管が、こちらは動脈硬化のために血管が弱くなり、その部分が徐々に膨らんでくる病気です。大動脈が膨らんできても、痛みも症状もないのが通常ですが、弱くなった部分が破裂すると直接命に関わります。ですから、やはり大動脈瘤の大きさを判断し、破裂を防ぐための手術が必要となります。
 大動脈の手術はどちらかと言えば大きな手術で、患者さんの体にとっても負担が大きいものであることも多いのですが、破裂による死亡を防ぐ唯一の手段である場合もあります。最近では、体に負担の少ないステントグラフトという治療も多く行われるようになってきています。ただし、どちらの治療法でできるのか、あるいは長い目で見てどちらの治療法がそれぞれの患者さんに合っているのか、2つの治療法どちらにも詳しく実績のある施設での治療が必要と思われます。当院では、早くから通常の治療にもステントグラフトによる治療にも、どちらにでも対応できるハイブリット手術室を開設し、両方の治療法に積極的に取り組んでいます。

解離性大動脈瘤
 先に説明した非破裂性大動脈瘤と同じ部位、大動脈におこる病気ですが、この太い血管の壁に亀裂が入るために、激しい痛みを生じ、命に関わる状態に陥ることも多いのが解離性大動脈瘤です。
 血圧が高い人、血圧が高いと言われているがそのまま治療を受けずにいる人に起こることが多く、40歳代と比較的若い方でも安心はできません。ほとんどの場合は突然発症しますので、救急車で運ばれてくることが多いです。
 A型、あるいはB型といった大きく2つのタイプがありますが、A型の場合は早急に手術をすることが多く、B型の場合でも緊急の治療を必要とすることもあります。そのため、24時間対応が可能な施設での診断・治療が重要となります。
 当院では、循環器内科および心臓血管外科の医師が常時当直しており、24時間いつでも救急対応ができる態勢をとっています。

狭心症・冠動脈バイパス術
 心臓は、全身に血液を送ることが仕事ですが、心臓自体も動き続けるために血液は必要です。心臓の中に血液はありますが、そこからは直接血液をもらうことはできません。心臓表面を走っている冠動脈という2−3mmの細い血管から血液が心臓の筋肉へ供給されます。
 この冠動脈が、動脈硬化のために狭くなり、心臓に流れる血液が少なくなるために症状を引き起こします。一般的に体を動かした時に胸が痛くなるというのが狭心症ですが、実際の患者さんの訴えは、「長く歩いていると何だか胸が変だ」とか「なんとなく息が上がるような気がしてすぐに休みたくなる」といったことも多いようです。
 心臓専門の循環器内科の診察を受け、薬・カテーテルで治療できることが多いですが、2−3割の患者さんは冠動脈バイパス術が必要となることがあります。当院では、カテーテル治療・バイパス手術をそれぞれの患者さんの状況に応じて適切な選択を行っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(EMR)あり 1,111 2.11 2.63 0.00% 67.97 内視鏡的大腸ポリープ切除術
060020xx04x0xx 胃癌 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(EMR・ESD)あり 339 7.30 8.27 0.00% 73.01 内視鏡下胃粘膜切除術
060340xx03x00x 総胆管結石症 内視鏡的乳頭切開術等(EST)あり 196 7.82 9.79 3.57% 75.19 内視鏡的逆行性胆管造影法
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし、処置なし 155 5.29 7.65 0.00% 67.15 大腸憩室炎
060130xx99000x 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし、処置なし 129 4.00 7.42 0.78% 65.74 急性腹症
当院の特徴:苦痛の少なく精度の高い内視鏡検査・治療
 消化器内科では全消化管(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)と胆道(胆嚢・胆管)や膵臓の検査・治療を行っております。
内視鏡検査時には積極的に鎮静剤を使用し、苦痛の少ない検査を提供しています。また、経鼻内視鏡や飲み込むだけのカプセル内視鏡(小腸用、大腸用)や前処置や検査が楽な仮想内視鏡検査と言われている大腸CT検査を導入しています。
 また当科では、迅速かつ正確で安全な内視鏡検査を心掛けています。お腹を切らなくてもすむ内視鏡治療が可能な段階で癌を発見するために、最新式ハイビジョンカメラや拡大機能、特殊な光(NBI)、色素などを用いて、精度の高い検査を実施しています。更に最大倍率が520倍まで可能な超拡大内視鏡も上部・下部内視鏡検査ともに導入しています。
 早期胃癌や早期大腸癌では内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)を積極的に多数行っています。近年大腸ポリープ・大腸癌が非常に増加傾向にありますが、小さな大腸ポリープは外来で大腸検査時に内視鏡切除も可能となっています。
 また、診断や治療が難しい胆道・膵臓疾患に数多く取り組み、超音波内視鏡下穿刺吸引法などの最新の検査・治療を用いて胆道・膵臓の治療に役立てています。胆管領域では緊急性の高い総胆管結石による閉塞性黄疸や胆管炎に対して、緊急内視鏡による治療(内視鏡的乳頭切開術や胆道ステント留置術など)を行っております。
 さらに胃・十二指腸・大腸の他、検査が困難な小腸を含めた炎症性疾患や消化管出血の診断・治療を数多く受け入れています。消化管出血で頻度の高い胃潰瘍出血や大腸憩室出血など、消化管出血は緊急性が高いため、24時間対応できる体制を整えています。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx01000x 結腸癌 手術あり 99 13.96 15.02 1.01% 68.97

腸切除術(開腹・腹腔鏡下)

060020xx02x00x 胃癌 胃切除術あり 97 15.33 16.12 2.06% 70.98

胃切除術(開腹・腹腔鏡下)

060335xx02000x 胆嚢炎を伴う胆嚢結石症 腹腔鏡下胆嚢摘出術あり 81 6.09 7.13 1.23% 66.75

腹腔鏡下胆嚢摘出術

060330xx02xxxx 胆嚢結石症 腹腔鏡下胆嚢摘出術あり 76 5.84 6.37 0.00% 62.21

腹腔鏡下胆嚢摘出術

060160x001xxxx 鼠径ヘルニア 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術等あり 65 4.46 4.85 0.00% 73.08

鼠径ヘルニア

結腸癌、胃癌
 結腸癌や胃癌の外科治療では、小さな創からカメラや器具を挿入し、テレビモニターを見ながら病巣を切除する、腹腔鏡下手術を基本としています。進行胃癌では手術前に抗癌剤を投与する術前化学療法を行った後に切除しています。同様に、進行直腸癌では抗癌剤と放射線治療を併用する術前化学放射線療法を行った後に切除しています。癌の進行度、患者さんの状態に合わせた最善の治療を提供しています。

胆嚢結石症、胆嚢炎
 胆嚢結石症に対しては、原則、腹腔鏡下胆嚢摘出術を行います。胆嚢の炎症が激しい急性胆嚢炎の場合でも、重篤な持病がない場合は、直ちに腹腔鏡下手術を行います。全身状態が不良な場合、重篤な持病がある場合は、内科的な治療で一度炎症を落ち着かせた後に、胆嚢を摘出します。
 
鼠径ヘルニア
 ご高齢の方に多い鼠径ヘルニアに対する治療は、手術によるヘルニア根治術です。お腹の壁の弱くなった部分をメッシュという人工布で補強する治療です。腹腔鏡下の鼠径ヘルニア手術では、腹壁の弱い部分をモニターで見ながらきちんと確認することができるため、確実に補強することができます。
当科では、胆石、ヘルニアの治療に関しては、お待たせすることなく、当科初診時にすぐに手術日程を決定しています。
肝臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060050xx0314xx 肝細胞癌 ラジオ波焼灼療法(RFA)等あり、肝動脈化学塞栓療法(TACE)等あり、化学療法あり 195 17.17 18.15 0.00% 70.02

簡易動注ポート留置、肝動注療法、ラジオ波焼灼術

060290xx99x0xx 慢性肝炎 手術なし、処置なし 193 3.99 8.55 0.00% 56.76

肝生検

060050xx0300xx 肝細胞癌 ラジオ波焼灼療法(RFA)等あり 116 8.03 8.03 0.86% 72.26

ラジオ波焼灼術

060280xxxxxxxx アルコール性肝障害  112 7.26 14.62 1.79% 58.20

アルコール性肝障害

060050xx97x01x 肝細胞癌 肝動脈化学塞栓療法(TACE)等あり、副傷病選択あり 95 10.17 16.65 7.37% 72.41

肝動脈塞栓術

肝細胞癌(肝動脈化学塞栓療法 ラジオ波焼灼療法 化学療法)
 肝細胞癌の内科的治療の主力である肝動脈化学塞栓療法、ラジオ波焼灼療法、マイクロ波凝固療法を多くの件数を施行しており、かつ件数が偏ることがなく行えているのが当院の特徴であります。巨大な肝細胞癌や肝細胞癌破裂など状況の悪い患者さんも多く紹介されてきますが、適切な治療を導入することで予後の延長やQOLの向上に繋がっています。また、治療患者さんは全体的に高齢であるにも関わらず、状態が改善してから退院を促しているため、転院率も低く抑えられています。そして化学療法は分子標的薬だけでなく、持続肝動注療法も行っているため入院期間は約2週間となっています。
 
慢性肝炎
 近年、著しい治療効果の向上が得られたウイルス性肝炎に限らず、脂肪性肝障害や原因不明の肝障害など、病態に応じて適切な治療を行うことが重要です。慢性肝炎は、肝癌のリスク群であることから適切な画像フォロー、採血フォローが欠かせません。当院では、近医よりご紹介頂いた肝障害患者さんを適切に診断し、治療介入を行っております。
 
アルコール性肝障害
 近年、新薬の登場によりウイルス性肝炎患者のコントロールが容易となってきましたが、アルコール性肝障害の患者数は減少していません。他院では敬遠されがちなアルコール依存症の方も断ることなく受け入れ、腹水や脳症の状態を速やかに改善させて入院期間をより短くすることにより、就労状況にも配慮した治療を行っています。また、門脈圧亢進症により難治性腹水が出ている患者さんに対し胸水・腹水濾過濃縮再静法も行っております。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 337 9 8 11 151 39 1 7,8
大腸癌 145 83 66 32 40 39 2 8
乳癌
肺癌 252 64 175 190 12 897 1 7,8
肝癌 84 202 142 66 24 161 2 6
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
 当院では、消化器内科・外科では胃癌や大腸癌の患者さんを、肝臓内科では肝癌の患者さんを、また呼吸器内科・外科では肺癌の患者さんを多く診療しています。胃癌や大腸癌では特に「超早期」であるⅠ期の患者さんの割合が高くなっています。消化器の早期癌では、主に消化管内視鏡治療や腹腔鏡下治療といった患者さんの身体的・時間的な負担が少ない治療を主に行っています。また、肺癌も早期であれば完全胸腔鏡下手術といった負担が少ない手術が選択されます。少しでも患者さんへの苦痛を少なく、また入院日数も短くしようとする努力の結果と考えられます。
 その一方で、肺癌や大腸癌では進行癌に相当するⅢ期・Ⅳ期の患者さんや、肺癌再発の患者さんも少なくありません。また肝癌では患者さんによって状態もさまざまであり、肝癌の4段階のステージがまんべんなくみられます。そのため、各種癌のⅢ期・Ⅳ期・再発後の患者さん、そして肝癌の患者さんについては、手術療法・化学療法・放射線療法、さらに癌に細い針を刺して焼くような治療も組み合わせて、患者さんに最も適したオーダーメイドの治療計画を立てることにより、チームとして患者さんとともに病気とたたかう方針を採用しています。
 なお、胃癌や大腸癌で病期が不明となっている理由は、早期癌の消化管内視鏡治療が大分を占めており、病期の判定前に患者さんが退院する傾向があるためと考えられます。また肺癌や肝癌については、癌の確定診断だけを一日の検査入院で行う場合に病期が不明となります。

患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示しております。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 59 5.90 53.27
中等症 240 10.50 79.44
重症 56 12.77 81.32
超重症 40 13.70 79.65
不明
 通常の社会生活を送っていた方が罹患した肺炎を市中肺炎といいます。
 成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)の重症度分類システムA-DROPスコアを用いて分類しています。
 中等症以上が入院の適応とされ、患者数の最も多いのが中等症の患者さんです。
 軽症患者さんは年齢も比較的若く、通常は外来での治療となりますが、なんらかの背景要因があり重症化が懸念される場合は入院となります。そのような事例では短期間の入院治療で軽快することが多く、早期退院が可能となっています。
 重症・超重症の患者さんの平均年齢はほぼ80歳以上であり、在院日数は中等症以下より長くなっています。
 市中肺炎の原因菌として最も多いのは肺炎球菌です。肺炎球菌による重症肺炎を予防するために、65歳以上の方全員に肺炎球菌ワクチン接種を強くお勧めします。

患者数が10未満の場合、-(ハイフン)で表示しております。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 11 16.64 82.45 42.86%
その他
 当院には神経内科はありませんので、脳梗塞の患者数は11名です。循環器・消化器・呼吸器疾患で入院したものの、入院後の検査で脳梗塞と判明した患者さんたちで、脳梗塞急性期は専門病院へ転院のうえ治療を受けておられます。

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診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
呼吸器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6112 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(四肢) 49 3.12 12.69 2.04% 70.39

CVポート留置(四肢)

K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 21 9.57 7.05 4.76% 68.71

CVポート留置(頭頸部その他)

 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈内持続注入用植込型カテーテル(CVポート)設置:抗癌剤治療などを安全かつ容易に行うため、前胸部や二の腕の皮膚の下に10円玉ほどの大きさのCVポートという器具とカテーテルという管を埋め込みます。前胸部への埋め込む方法では、カテーテルの折れや断裂を防ぐため首の筋肉を避けてカテーテルを通します。二の腕に埋め込む方法では、針を刺したときの痛みを軽減するためCVポートを腕の外側に埋め込みます。CVポートの手術にかかる時間は局所麻酔で30分程度となります。

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呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの) 162 2.03 5.98 0.62% 69.28

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)) 74 4.45 4.34 0.00% 33.01

気胸手術

K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 55 2.05 5.15 0.00% 70.85

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

K5132 胸腔鏡下肺切除術(その他のもの) 27 2.04 4.52 0.00% 60.48

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 15 2.00 6.07 6.67% 66.27

肺腫瘍・縦隔腫瘍手術

【胸腔鏡手術について】
 肺病変および縦隔病変の外科治療を担当していますが、その特色は、テレビモニターを見て手術を行う”完全胸腔鏡下手術”を9割以上の症例で行っている施設であることです。この方法は、小さい創部が3か所だけの”低侵襲”な方法であると同時に、モニターで拡大視し”安全”に行えることで、『平均術後日数』が少ない=患者さんの負担が少なく回復が早いという大きなメリットとなっております。技術は必要ですが、当院ではこの方法をいち早く取り入れたことで、ここまで十分な実績と経験を積んでおり、安心して沢山の患者さんにその治療を受けて頂けると考えております。

【肺悪性腫瘍手術について】
 肺癌をはじめとした”肺悪性腫瘍手術”では、病状と患者さんの状態に応じて、切除範囲を決めて行っています。一番多くは標準手術である「肺葉切除」で、これをほとんどの患者さんに対して、「完全胸腔鏡下」に安全に行い、早期社会復帰を実現しております。(『胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超えるもの)』に相当します)
 一方、肺癌でも病変が早期と考えられる場合や、ご高齢の場合、あるいは呼吸機能が悪い場合などは、標準手術ではなく、術後の息切れなどにも配慮し、呼吸機能を温存するために、切除範囲を少なくした”縮小手術”である「部分切除」や「区域切除」も積極的に行っています。他の癌の肺転移に対しても、積極的に切除も行っておりますので、ご高齢や呼吸機能が悪くても、可能な手術をご提案致しますので、遠慮無くご相談下さい。(『胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除)』や『胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除)』に相当します)

【気胸について】
 『肺嚢胞手術』は、肺の一部が突然破れ漏れ出た空気で肺が縮んでしまう、いわゆる”気胸”の患者さんに対する手術です。肺にブラと言われる風船ができ、これが破れておこるため、原因治療であるブラの切除が必要となります。当院では全患者さんに低侵襲な完全胸腔鏡下に行い、早期に通常の生活に安心して戻れるように貢献しております。(『胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの))』に相当します) 

【肺癌が否定できない肺のしこりについて】
 良性の肺腫瘍や炎症で肺内に”しこり”が出来ることがあります。気管支鏡などでの診断が難しいため、”肺癌が否定できない”不安な日々をお過ごしになると思います。その際に、可能な限り完全胸腔鏡下の低侵襲で、切除範囲を少なくし(肺を多く残して肺活量を確保)、診断と治療を兼ねて手術を行っております。肺のしこりを指摘された場合、いつでもご相談下さい。(『胸腔鏡下肺切除術(その他のもの)』に相当します)
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術(心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの) 489 1.65 3.68 0.20% 65.35

経皮的カテーテル心筋焼灼術

K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 448 1.93 4.36 0.22% 70.45

冠動脈インターベンション手術(橈骨アプローチ)

冠動脈インターベンション手術(下肢アプローチ)

K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 318 1.60 4.80 1.57% 75.16

末梢動脈疾患カテーテル治療

K555-22 経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 215 4.87 11.63 8.37% 83.74

経カテーテル大動脈弁置換術(術前)

経カテーテル大動脈弁置換術(術後)

K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 192 0.01 14.06 3.65% 68.92

急性心筋梗塞(1病日~4病日)

急性心筋梗塞(5病日以降)

頻脈性不整脈(経皮的カテーテル心筋焼灼術)
 頻脈性不整脈は昼夜を問わず急に起こることが多く(急に心臓がどきどきしてくる)、これらの疾患に対しても24時間体制で受け入れを行っています。頻脈性不整脈の患者さんの治療は、お薬で行う場合や、経皮的カテーテル心筋焼灼術にて治療する場合など、それぞれの病状に応じた治療を選択します。経皮的カテーテル心筋焼灼術とは、不整脈の原因となる異常信号が出ている部位(心臓内)を特定し、カテーテルを用いて焼灼する治療です。この方法にて根治が可能となり、頻脈性不整脈の治療としては欠かすことが出来ないものとなっております。

経皮的冠動脈ステント留置術とは…
 心臓に栄養を送っている血管を冠動脈といいます。虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)は冠動脈が狭くなり、充分な血液が心臓にいきわたらなくなる病気です。経皮的冠動脈ステント留置術とは狭くなった冠動脈を拡げる治療法です。ステントという金属製の網状の筒を冠動脈内に挿入し、狭くなった血管を内側から支えます。この治療により心臓に充分な血液がいきわたるようになります。当科で最も力を入れている分野です。

四肢の血管拡張術・血栓除去術
 最近は下肢(足)の血管が狭くなったり詰まったりし、そのために治療が必要になる患者さんが増えています。症状は間欠性跛行といい、歩くと足が痛くなり長距離の歩行が困難になる病気です。冠動脈と同様、カテーテルによる血管拡張術が必要になり、この分野も積極的に治療を行っています。

経カテーテル大動脈弁置換術(経皮的大動脈弁置換術)
 重症の大動脈弁狭窄症は開胸手術による弁置換術の適応とされてきました。しかし、手術が必要でもリスクが高いため手術をあきらめていた患者さんが多くいました。このような患者さんのためにカテーテルを使って大動脈弁を人工弁に置き換える方法が考案されました。
 経カテーテル大動脈弁置換術は、胸を切開せずにすむため、体への負担が少ないという利点があります。その為年齢が80歳を超える方や、体力が低下した方へも治療が行えるといった特徴があります。

急性心筋梗塞に対する経皮的冠動脈ステント留置術
 急性心筋梗塞とは冠動脈が急に、そして完全に詰まってしまう病気です。そのため治療が遅れると死に至ることが多く、緊急で治療を行う必要がある疾患です。治療方法は、先ほど説明した経皮的冠動脈ステント術です。病状は分単位で変化しますので一刻も早い治療が必要になります。そのため、患者さんの緊急受け入れ態勢が整っている必要があり、当科ではその受け入れを365日・24時間体制で行っています。
 また、病院搬入から冠動脈を再開通させるまでの時間は病院ごとに差があり、当科ではこの時間短縮を目標として掲げ、治療を行っております。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5522 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) 70 7.16 19.49 4.29% 67.91

冠動脈バイパス術(術前)

冠動脈バイパス術(術後)

K5551 弁置換術(1弁のもの) 52 7.38 17.63 11.54% 70.00

弁置換術・形成術(術前)

弁置換術・形成術(術後)

K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 51 2.47 6.78 3.92% 74.67

腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(術前)

腹部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(術後)

K5612イ ステントグラフト内挿術(胸部大動脈) 41 3.24 11.24 14.63% 68.05

胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(術前)

胸部大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術(術後)

K5601ニ 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。)(上行大動脈)(その他のもの) 20 2.10 37.10 35.00% 70.65

大動脈瘤切除術(術前)

大動脈瘤切除術(術後)

冠動脈バイパス移植術(2吻合以上)
 狭心症や心筋梗塞の後の患者さんのうち、カテーテルによる治療ができない、あるいは向かない方に対して、冠動脈バイパス手術を行います。当科では、両側内胸動脈、腕の動脈を積極的に使用し、長期のグラフト開存率を考えた手術を行うようにしています。また、人工心肺を簡略化したミニポンプを使用することにより、たとえ、心機能が低下した患者さんに対しても安全に多くの枝にバイパスすることを常に考え、治療を行っています。
 糖尿病を合併している方が数多くいることがこの病気の特徴ですが、手術に際しては術前・術後にわたり十分な血糖コントロールを行うことが、手術創感染、創トラブルを予防する上で非常に重要です。当科では、糖尿病の専門医の指示で適切な治療を行うことで、冠動脈バイパス術後の創感染を非常に低く抑えることができています。(手術後の創感染サーベイランス調査に参加しています。)

弁膜症
 弁膜症に対する手術でもっとも多いのは、大動脈弁狭窄症に対する生体人工弁による大動脈弁置換術です。どちらかというと70歳、80歳という高齢の方が多いのが特徴です。そのため、カテーテルによる治療も行われるようになっており、当院では既に多数の経験がありますので、患者さんの状況に応じて、最適な方法を選択できるようになっています。
 次に多いのが、僧帽弁逆流症に対する手術で、できる限り自分の弁で治す形成術を行うようにしています。この病気は、40歳代、50歳代と比較的若い方に多いのが特徴であり、仕事の都合を含めた患者さんのスケジュールに沿うように治療日程を組めるようにしています。また、患者さんの希望によっては、右の胸からの小開胸による手術も行える場合もあります。

大動脈瘤切除術、ステントグラフト内挿術
 動脈硬化のために血管が弱くなり、瘤(こぶ)のように膨らんでしまうと大動脈瘤であると診断されます。胸の大動脈にもおこりますし、お腹の大動脈にもおこります。痛み等はないのが普通ですが、そのままでは破裂死を引き起こすことが多いために治療が必要となります。動脈硬化が原因のため、比較的高齢の方が多く、体力が低下している方も多数おられます。もともとは胸を開けたり、お腹を大きく開けたりして、大動脈瘤を切除し、その部分を人工血管でつなぎなおす手術を行っていましたが、大きな手術に耐えることが難しい方もおられました。そのような場合、現在では、足の付け根の血管から太めのカテーテルを入れて、ステントグラフトを内挿することにより、治療が可能となっています。しかし、全員がこの治療法に適するわけでなく、大動脈瘤の形がステントグラフト治療に合わない場合も多くあります。また、50歳代では頑張って人工血管置換術をうけたほうが、20−30年という長期的なことを考えた場合には、むしろ良いと思われる事もあります。当科では、大動脈瘤切除人工血管置換術もステントグラフト内挿術もともに多数の経験があり、患者さんに合った適切な治療法を選択することができます。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 1,064 0.09 1.12 0.09% 68.42

内視鏡的大腸ポリープ切除術

K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層) 299 1.04 5.41 0.00% 73.03

内視鏡下胃粘膜切除術

K688 内視鏡的胆道ステント留置術 162 2.39 7.97 4.94% 76.20

胆道ステント留置術

K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 133 0.95 4.65 0.00% 66.07

大腸粘膜剥離術

K654 内視鏡的消化管止血術 126 0.59 6.12 5.56% 74.17
当院の特徴:最新の機器による経験豊富な内視鏡治療、24時間救急応需
 当科では、迅速かつ安全な内視鏡治療を提供するように心掛けています。
早期胃癌や早期大腸癌の内視鏡治療(内視鏡的粘膜下層剥離術:ESD)は最も得意とする領域で、数多くの経験豊富な内視鏡医が、難易度の高い症例も含め多数の症例を手がけています。早期癌発見と内視鏡切除時の正確な範囲診断のために、最新式ハイビジョンカメラや拡大機能(更に520倍の超拡大観察も可能)、特殊な光(NBI)、色素などを用いて、精度の高い検査や治療を実施しています。
 近年増加傾向である大腸ポリープに対して、大腸検査時に見つかった小さなポリープはその場で切除も可能で日帰りでも行っています。
 胆管領域で緊急性の高い総胆管結石による閉塞性黄疸や胆管炎、胆嚢結石による急性胆嚢炎に対しても緊急内視鏡治療や胆嚢ドレナージなどを多数行っております。
 また、緊急性の高い消化管出血も24時間応需できる体制を整えています。頻度の高い胃潰瘍出血や大腸憩室出血を始め、治療が困難な小腸出血にも対応しています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 170 0.95 4.11 1.18% 65.09

腹腔鏡下胆嚢摘出術

K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 107 2.30 11.12 0.00% 68.82

腸切除術(開腹・腹腔鏡下)

K655-22 腹腔鏡下胃切除術(悪性腫瘍手術) 59 2.20 12.31 1.69% 70.19

胃切除術(開腹・腹腔鏡下)

K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 53 0.23 3.09 0.00% 72.09

鼠径ヘルニア

K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 43 2.40 15.26 13.95% 73.21

腸切除術(開腹・腹腔鏡下)

腹腔鏡下手術
 当科では、小さな創からカメラや器具を挿入し、テレビモニターを見ながら手術を行う腹腔鏡下手術で多くの疾患を治療しています。

腹腔鏡下胆嚢摘出術
 胆嚢結石症に対する胆嚢摘出術は原則として、腹腔鏡下手術で行います。胆嚢の炎症が激しい急性胆嚢炎の場合でも、発症早期で持病がない患者さんは、緊急で腹腔鏡下胆嚢摘出術を行います。

腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術、腹腔鏡下胃切除術
 大腸癌(結腸癌、直腸癌)や胃癌の切除も、当科では、原則として、腹腔鏡下結腸切除術、腹腔鏡下胃切除術などの腹腔鏡下手術で行います。

腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術
 お腹の壁の弱くなった部分を補強することが鼠径ヘルニア手術の基本です。腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術では、腹壁の弱い部分を直視下に確認することができるため、確実に補強することが可能です。

結腸切除術
 腹腔鏡下手術で治療が難しい進行結腸癌に対しては、開腹手術により結腸切除術を行います。結腸癌手術後で抗癌剤による追加の治療が必要な場合は、外来で治療を継続していきます。
肝臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6152 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(選択的動脈化学塞栓術) 329 1.94 13.33 6.69% 72.13

肝動脈塞栓術

K697-32ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)(2センチメートルを超えるもの)(その他のもの) 255 4.95 8.89 0.39% 71.38

ラジオ波焼灼術

K635 胸水・腹水濾過濃縮再静注法 181 1.23 9.31 7.73% 67.97

腹水濾過濃縮再静注法

K697-31ロ 肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法(一連として)(2センチメートル以内のもの)(その他のもの) 67 2.16 6.67 0.00% 71.61

ラジオ波焼灼術

K6153 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他のもの) 62 1.13 9.50 1.61% 67.48

肝動脈塞栓術

血管塞栓術(選択的動脈化学塞栓術)
 肝細胞癌や肝細胞癌の他臓器転移、多血性転移性肝腫瘍などに対して血管塞栓療法を行っています。治療方法も薬剤溶出性ビーズを用いた塞栓療法やバルーンカテーテルを使用した塞栓療法、また超細径マイクロカテーテルを使用した超選択的塞栓療法など、患者さんの状態に合わせて治療を行っています。年々症例数は増加しており、治療効果も良好であることから、今年度は更に紹介患者数が増加しております。
 
胸水、腹水濾過濃縮再静注法
 肝硬変・肝癌患者の症例数が増加するに伴い、利尿薬だけではコントロール困難な難治性腹水・胸水の患者さんが増えており、年間181件施行しております。その方々に積極的に胸水・腹水濾過濃縮再静注法を施行しております。この治療を行うことで、食欲の増加や呼吸苦の改善が得られるため、生活の質を高める有効な治療法となっています。また、その後の利尿剤の効果が増加する患者さんもおります。入院期間は患者さんの状態や希望によりばらつきがありますが、多くの患者さんが、安全に治療を終了して日常生活に復帰しています。
 
肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法
 腫瘍の長径が2cm以内・超えるものや肝動脈化学塞栓療法等の組み合わせによるラジオ波焼灼療法は322例に対して治療を行っています。同様の効果が得られるマイクロ波凝固治療も行っております。高精度エコー機器、フュージョン画像を使用した治療を行うことにより大きな副作用もなく治療を完遂しているため、患者さんの状態が良く転院率も低く抑えられています。最近は、治療に伴う疼痛、苦痛を緩和する目的で鎮静剤を用いた治療も積極的に行っております。肝細胞癌に限らず、転移性肝癌に対しても適応を十分に評価して、治療を考慮しています。
 
血管塞栓術(その他のもの)
 脾腫を伴う肝硬変患者に対する部分的脾動脈塞栓術や動脈瘤のコイル塞栓、内視鏡で止血が難しいような緊急性の消化管出血に対する血管塞栓、巨大肝嚢胞の栄養血管塞栓などを行っています。大きな副作用なく安全に施術でき、入院日数も1週間前後と安定しております。治療により全身状態が改善する患者さんがほとんどであり、転院率も1.61%と低く抑えられています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 13 0.07%
180010 敗血症 同一
異なる 31 0.17%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 82 0.45%
異なる 62 0.34%
 播種性血管内凝固症候群は感染症や悪性疾患により引き起こされる全身性の重篤な病態です。
DPCでは高額な点数が設定されており、臨床的に根拠のある診断であることが求められています。厚生労働省による全国DPC対象病院の平成30年度データ集計では、全症例に対する割合は0.16%でしたが、当院の割合は0.07%と半分以下の発生率でした。

 敗血症も高額な点数設定ですが、全国データが0.47%であるのに対して当院では0.17%であり、妥当な発生率となっています。今後も根拠が明確な診断を基に、投入された医療資源を勘案し、適切な入院医療費請求に努めます。

 手術・処置等の合併症については半数以上の事例で入院契機病名とDPC傷病名が同一であり、手術・処置などの合併症を主訴に入院し、治療を受けております。主な内訳は術後出血が37例、ペースメーカー植え込み後感染症が25例、吻合部狭窄が14例、処置に続発する血管合併症と術後創部感染がともに8例となっております。

 手術や処置は合併症が起きないように細心の注意を払って実施していますが、合併症はどうしても一定の確率で発生し得ます。起こりうる合併症に関しては、治療前に患者さんに説明し、十分ご理解をいただいた上で手術や処置の同意をいただくように努めております。

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更新履歴
2020/9/28
令和元年度病院指標 新規公開