ドクターインタビュー

肝臓内科
正確な診断治療で
救いの手を差し伸べる
日本最高峰の治療を提供

DOCTOR INTERVIEW
肝臓内科科長近藤 泰輝

#01

疾患の切れ目のない医療を提供

肝臓内科では、専門知識と最先端の医療技術を用いて肝炎から肝硬変、肝臓がんと切れ目のない医療を提供しています。

肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれ、がんや炎症があっても初期には自覚症状がほとんどありません。定期健診やほかの病気の検査で発見されるというケースが多くあります。また、慢性肝炎、肝硬変、肝臓がん、全て一連の病気です。

進行した場合には、お腹が痛くなったり、黄疸がでたり、腹水が溜まったりします。

#02

沈黙の臓器の疾患は早期に発見することが大事

がんにならないことが最強のがんの治療です。
例えばC型肝炎だったら、C型肝炎ウイルスを排除する。C型肝炎を排除してもがんは出来てくるので、どのくらいの頻度で出来てくるかという情報を把握するために、半年に1回もしくは3ヶ月に1回程度、画像検査をしっかりして、がんを早期に発見することが大事です。そのようにしていればほぼ根治させることが出来るので、慢性肝炎をしっかりと治してがんになりにくい状態を維持します。

そして、飲酒をされている方であれば、「あなたはこのくらい進んでますよ」ということを正確に診断して、断酒に向けた指導をしています。断酒は重要です。どうしても断酒出来ない方には減らすところから始めています。

#03

患者さんに合わせた適切な診断治療を心がけています

肝がんの内科的治療は、日々進歩しており、手術が適切な治療法ではない症例に対し、最新の機器を用いたラジオ波焼灼療法(RFA)、マイクロ波凝固療法(MWA)、経皮的肝動脈化学塞栓療法(TACE)、持続肝動注療法(HAIC)を積極的に行っています。
消化器外科や放射線科との連携により患者さんの状態に応じて適切な治療方法を選択出来ます。

ラジオ波焼灼療法とは、皮膚を通して電極針を腫瘍に挿入し、ラジオ波という電流を針に流し、熱を発生させて焼灼し腫瘍を壊死させる方法です。
肝動脈化学塞栓療法とは、足の付け根や腕の動脈からカテーテルを挿入して、肝臓内の腫瘍を栄養する細い動脈に抗癌剤などを入れて動脈の血流を遮断し、腫瘍細胞を壊死させる方法です。

当院では、バルーンカテーテルを用いた方法や薬剤溶出性ビーズ(DEB)を用いた治療をうまく組み合わせることにより、巨大な肝細胞がんに対しても治療効果が得られるようになってきています。

また、安静時間を守れないような高齢の患者さんなどには、腕からアプローチして治療を行うことも出来ます。

また、肝硬変治療として、難治性腹水の患者さんに対しての腹水濾過濃縮再静注法(CART療法)や、門脈圧亢進症状(胃食道静脈瘤など)、脾機能亢進症状 (血小板減少など)に対するバルーン下逆行性経静脈的塞栓術(BRTO治療)、経皮経肝静脈瘤塞栓術(PTO治療)、部分的脾動脈塞栓術(PSE治療)も多数行っております。

#04

力を入れている専門治療

持続肝動注療法(HAIC)とはカテーテルを介してポンプを使い、薬を該当の肝動脈内に持続的に注入する治療法です。がんは肝動脈から栄養されるため末梢の静脈から全身投与するのと比べて、高濃度の薬物を注入することが可能となり、より高い効果と副作用の軽減が期待できます。
特に、当院ではDEB-TACEとHAICを組み合わせた治療を多く行なっており、より進行した状態の肝がん患者さんでも腫瘍の縮小が得られることがあります。腫瘍の縮小が得られた際は、ラジオ波焼灼療法やマイクロ波凝固療法を行うことにより、根治性をより高める努力を行なっております。 また、他治療が適応とならないような転移性肝癌患者さんでも、適応を十分に評価した上で治療を行うことがあります。

また、がん細胞の特定の分子を狙い撃ちにする薬剤での治療も行っています。内服薬であっても、一定の割合で腫瘍の縮小効果が得られることが報告されているものもあり、うまく使いこなすことが治療の際に重要になってきます。 また、「免疫チェックポイント阻害剤」というのもあります。自己の免疫を強めてがん細胞を押さえ込むという治療です。以前、私は、大学や米国留学先で免疫寛容について研究を行っていましたので、これらの治療法の特性について熟知しております。

肝がんの局所治療 (TACE, HAIC, RFA, MWA)と全身に作用する薬物治療 (分子標的剤、免疫チェックポイント阻害剤)を集学的に行うことにより予後の延長、QOLの上昇を目指しております。

#05

他院で断られた患者さんにも手を施す方法を考えます

当院には優秀な消化器外科、放射線科医がおり、正確な診断治療が可能です。慢性肝炎から肝細胞がんまで、切れ目なく、流れる診療を行なっております。
軽い疾患の患者さんから、他院では手を出すのが困難な重い肝臓がんの患者さんまで、肝疾患に関しては全て対応しています。

当院は、最後の砦と呼ばれるような責務がある病院ですので、他の病院でも手をつけられないと言われている患者さんにも、何か救いの手を差し伸べることを考えて治療法を工夫しています。

来院する患者さんの中には、セカンドオピニオンでいらっしゃる方も多いです。地域の先生方には、疾患を問わず何か困ったことがあれば、どんな状態の患者さんにも適切な日本最高峰の治療を提供しますので、ご紹介ください。

#06

今後は経験を活かして教育にも力を入れていきます

当院では多岐に渡る肝疾患患者さんを治療しています。当院に就職を希望されている方には、RFAやTACE治療を行ったことがない方にも親切な指導をしますし、個人に合わせて柔軟に対応し、バックアップをします。例えば、少しゆったりと診療したいという人にも対応いたします。

当科は全国においてもトップレベルの治療実績を積み上げていますので、治療手技を習得したいという人や、診療以外でも研究などにも興味があれば、時間を割くことが可能ですのでぜひ見学に来て下さい。
我々医師が腕を磨くのは当たり前のことで、日々、日本最高峰の技術を保つために努力を惜しみません。当院には、最新の医療機器、設備が導入されていますが、今後は、より広いスペースが確保され、さらに良い治療が提供できるようになると考えています。

他国からの患者さんも数名、医療ツーリズムを利用して当院で治療を受けに来ておりますが、まずは、地域の患者さんに仙台厚生病院があって良かった、と思ってもらえるような病院にするために、また、東京から仙台へ治療を受けに来てもらえるような、ハイレベルな医療を提供していきたいと考えています。

経歴

  • 1975年生まれ  栃木県出身
  • 1994年 神奈川県 私立桐蔭学園高等学校卒業
  • 2000年 東北大学 医学部卒業
  • 2000年から 古川市立病院 (現 大崎市民病院)研修医
  • 2002年から 東北大学大学院 消化器病態学分野
  • 2005年から 南カリフォルニア大学 分子微生物免疫学教室
  • 2007年から 東北大学病院 消化器内科 医員
  • 2011年から 東北大学病院 消化器内科 助教
  • 2016年から 仙台厚生病院 肝臓内科(新設)
  • 2016年から 名古屋市立大学 ウイルス学研究員
  • 2020年から 熊本大学 消化器内科学講座 客員准教授
肝臓内科科長近藤 泰輝
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