診療科

消化器外科

専門治療

診療方針

近年の外科手術では、患者の病状、人生観、ニーズに合致した手術の選択が必要であり、消化器外科医には機能を可及的に温存する縮小手術・低侵襲手術から徹底的に根治性を追求した拡大手術まで、両極端とも言える治療法に対応できる幅広い知識と技量が求められます。

当院では、食道癌、胃癌、大腸癌に関しては診療ガイドラインに沿った治療を原則とし、腹腔鏡下手術を積極的に行っています。腹腔鏡下胃切除術は年間80例、腹腔鏡下大腸切除術は年間180例程度であり、2019年から開始した鏡視下食道切除術も年間15例程度にまで件数を伸ばしています。また、食道癌に対しては術前化学療法を、進行直腸癌に対しては術前放射線化学療法を導入し、治療成績の向上を目指しています。術後は、当院と登録医の皆様が築き上げた「仙台厚生病院がん診療地域連携ネットワーク(通称:スキップネットワーク)」により、綿密な術後フォローを行っています。

肝胆膵領域の悪性腫瘍に対する手術は、施設により手術技術や周術期管理の質が大きく異なり、それが手術成績に反映されます。また、外科医の手術経験数や診療姿勢によって手術適応が大きく左右される領域でもあります。当院は日本肝胆膵外科学会高度技能医修練施設A(高難度肝胆膵手術を年間50例以上行っている施設)に認定されており、肝胆膵外科学会高度技能医、指導医を中心に、肝胆膵領域悪性腫瘍に対する手術を年間100件近く行っています。進行癌症例に関しては徹底的かつ合理的なリンパ節郭清、他臓器合併切除等に加え、必要があれば心臓血管外科の協力の下、主要動脈、大血管の合併切除再建も併施し、あくまで根治切除の可能性を追求する手術を実践しています。

先端医療への取り組み

消化器がん(食道がん、胃がん、大腸がん)に対する低侵襲手術

食道癌、胃癌、大腸癌に対しては腹腔鏡手術が当院の標準術式です。腹腔鏡による年間の胃癌、大腸癌の切除件数は合わせて250件を超えます。加えて、2019年から食道がんに対する低侵襲食道切除術を本格的にスタートし、年間15例程度の食道癌手術を行い、良好な成績を残しています。

肝胆膵腫瘍(肝細胞癌、転移性肝癌、膵腫瘍)に対する低侵襲手術

肝細胞癌、転移性肝癌、膵体尾部の膵腫瘍に対しても腹腔鏡手術を、適応を十分に検討した上で実施しています。特に大腸癌肝転移に対する手術では再肝切除の可能性も考慮して、大腸癌切除、肝切除とも腹腔鏡下手術で行う努力をしています。

食道癌、膵癌、直腸癌に対する術前治療と根治手術

化学療法科医師、放射線科医師と綿密に連携しながら、食道癌、膵癌では抗がん剤を投与する術前化学療法を、進行直腸癌では化学療法と放射線治療を組み合わせた放射線化学療法手術前に行い、その後、根治を目指した手術を実施しています。

医療設備

消化器外科手術室

通常1日に3件、多い時には5~6件の手術をこなします。件数が多くなると手術が時間外に及んだりすることがありますが、当院では極めて能率良く時間配分ができるため、ほとんどの場合、時間内に手術を終了することができています。 外科医の技術が未熟であってはもちろん不可能ですが、それだけでなく、手術室のスタッフとの密な連携が、効率の良い手術室の運用を可能にするのです。

手術器械は病院の方針として、最新式の器械を設備しています。 腹腔鏡下手術用の高性能フルハイビジョンシステム2セット、外科用超音波吸引装置(超音波メス:CUSA)、超音波凝固切開装置、アルゴンビームコアグレーター、ベッセルシーリングシステム、超音波診断装置などなど、いつも最新式の器械を設備するようにしています。

手術患者さんのご家族の希望があれば、手術をリアルタイムに中継しモニターで見て頂いています。「手術は密室で行われる」というイメージは当院にはありません。

4階 消化器外科 病棟

当院で手術を受ける患者さんは、高齢の方が多いだけでなく、特に心血管障害や糖尿病を合併している患者さん達が多く紹介されてきます。また、肝胆膵領域では他の病院で切除不能とされた患者さんが最後の砦として紹介されることがしばしばあります。

そのため、術前術後の管理が他の病院に比べて大変なことが多いのです。術前術後に不安を抱えている患者さんが多いため、看護スタッフの役割は極めて重要です。医師と看護師が密に情報共有を行って、患者さん達が1日も早く元気に退院できるよう努力しています。

病棟主任の言葉

4階消化器外科病棟で働く私たち看護師は、平均年齢約26.5歳の若さあふれる仲間で、「明るく楽しく」をモットーに日々患者さんのケアにあたっています。年間900例を超える手術患者さんが元気に退院していく姿にやりがいを感じています。仲間意識が強く、患者さんからの信頼も厚いと自負しています。 また、プロフェッショナル・ナースとしての自覚も持っています。4階消化器外科病棟は笑顔の絶えない、明るく楽しい病棟です。

患者さんの紹介について

救急患者さんをご紹介いただく場合

通常勤務時間帯は各科外来、休日・夜間等は当直師長が対応致します。

通常のご紹介の場合

外来診療におけるスケジュールは下記の通りとなっております。受診される場合は紹介状(診療情報提供書)と保険証をご持参の上、病院本館1階医事課新患窓口にお越しください。

診察受付時間
9:30~11:00