診療科

呼吸器外科

年間160~200例の肺がん手術を手がけており、最初から最後までモニターを見ながら手術を行う完全胸腔鏡下での手術や、ロボット支援(ダビンチ)手術は、現在では9割以上に及んでおります。

ドクターインタビュー

呼吸器外科科長代行平山 杏

身体的負担を
最小限に抑えつつ、
精密な治療を提供

基本情報

診療科について

長い入院生活や手術に不安のある方へは、完全胸腔鏡手術やロボット支援(ダビンチ)手術をお勧めします。
当院なら患者さんに負担の少ない低侵襲手術で、早期退院・早期社会復帰が可能です。

呼吸器外科で扱う主な症例

腫瘍性肺疾患
肺がん、転移性肺腫瘍、肺良性腫瘍、縦隔腫瘍
胸膜疾患
気胸、膿胸、胸膜炎、胸膜腫瘍(胸膜中皮腫)など

手術・治療の特徴

当院の呼吸器外科では完全胸腔鏡手術やロボット支援(ダビンチ)手術を積極的に行っています。

呼吸器外科001

完全胸腔鏡手術やダビンチ手術は、術後の痛みが少なく、回復が早い手術です。完全胸腔鏡手術では、図のように脇の下を3カ所切開して手術をします。傷のサイズはそれぞれ7㎜、10㎜、16㎜です。ダビンチ手術では、図のように5カ所切開して手術をします。傷のサイズは8mmが3カ所、12mmが2カ所です。いずれの手術でも、切除した標本(肺など)を取り出す際に、1ヵ所の傷を2〜3cm程度へ広げますが、これが最大の傷となります。手術後、患者さんは手術の翌日から病棟内を歩行できます。

完全胸腔胸手術やダビンチ手術は、医師にとっても様々な利点があります。見たい部分を拡大しながら手術を行えることや、更にはダビンチ手術では3D視野で手術が出来ること、手振れ補正機能が付いていることなどから、より安全に緻密な手術が行うことができます。ダビンチ手術では、胸腔鏡手術よりも傷の数こそ増えるものの、実際には術後の疼痛は胸腔鏡手術よりも総じて軽減しておりますし、手術時間も平均して1時間程短縮されておりますので、より低侵襲な治療となりうる最先端治療の1つです。

完全胸腔鏡手術/ダビンチ手術を行う医師には技術と経験が必要です。

完全胸腔鏡手術/ダビンチ手術は医師なら誰でも行えるものではなく、一定期間のトレーニングを行った医師のみが行えます。さらに、多くの症例を経験することで、様々な事態に対処する技術が身に付きます。

仙台厚生病院では積極的に完全胸腔鏡下手術/ダビンチ手術を行っていますので、技術・経験ともに自信を持って手術をお勧めできます。完全胸腔鏡手術やダビンチ手術で治療が可能かどうかは、患者さんの病気の進行度などから判断します。患者さんとの面談も行いながら、手術を受ける患者さんにとって最適な手術を選択します。

また、当センターでは気胸の治療も積極的に行っております。24時間での受け入れ体制をとっており、胸腔鏡での早期手術・退院を実現しております。当院では肺がんを始めとした呼吸器疾患に対して完全胸腔鏡手術/ダビンチ手術を積極的に行っており、呼吸器外科で行う手術は、年間350~400例にのぼり、その大半を完全胸腔鏡手術/ダビンチ手術で行っております。

完全胸腔鏡手術やダビンチ手術で身体への負担を最小限に抑えることにより、患者さんの早期の退院と社会復帰を実現しております。肺がんに対しての手術後でも、順調に経過すると3日前後で退院可能であり、入院期間が1週間を切ることも珍しくありません。退院後に特に生活に制限はなく、術後早々にゴルフなど趣味を楽しまれたという方もいらっしゃいますし、仕事に復帰される方も沢山いらっしゃいます。

同じ病気の手術でも、方法により身体への負担や入院期間は異なります。
手術に関して不安のある方は、ぜひ一度当院をご受診ください。

治療実績と症例数

疾患別手術数

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完全胸腔鏡手術(VATS)/ダビンチ手術(RATS)の占める割合(%)

呼吸器外科003

肺がん手術術式

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※2024年よりダビンチ手術の症例数を括弧内に記載

肺がん5年生存率(2012年から2019年)