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大動脈弁狭窄症とカテーテル治療(TAVI)

『心臓弁膜症』って聞いたことはありますか?

心臓は、全身に血液を送り出すポンプの働きをしていますが、きちんと血液を送り出す為に4つの弁があります。心臓の弁に障害が起き、本来の役割を果たせなくなった状態を心臓弁膜症といいます。

大動脈弁の劣化とそれに対するカテーテル治療

対象患者さん

心臓弁膜症の中でも歳を重ねることでなりやすいと言われているのが、大動脈弁狭窄症という病気です。

急に、歩いたり、階段をのぼったりすると動悸・息切れ・胸の痛み・めまいなどの症状が出現し、重症になると意識を失ったり、亡くなったりすることもあります。心不全の原因にもなります。大動脈弁狭窄症は歳を重ね、心臓と大動脈の間にある大動脈弁に、少しずつ石のようなものが付いて、弁が開かなくなり、全身に血液を送り出すことが出来なくなってしまう状態です。65歳以上では、全人口の3%位がこの病気をもっていると言われており、決して珍しい病気ではありません。

僅かな負担で治療可能です

心臓の弁を取り換えるというと大変なイメージがありますが、現在はカテーテルという細い管を使って治療をすることも可能になりました。経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)という治療で、主に足の付け根の血管からカテーテルを入れ、人工弁を内側から拡げて植込みます。傷は数ミリで済みますので、手術翌日から歩くことができます。


Q&A

Q 症状が気になったら、まずどうすれば良いですか?

A かかりつけの医師に相談してください。弁膜症は聴診器でよくわかります。医師に胸の音を聞いてもらうと必ず「ザッザッ」という雑音が聞こえます。そうした異常な音が聞こえたら、循環器科のある病院を紹介してもらうといいでしょう。心臓の様子を画像に映し出して診断する心エコー検査があり、弁膜症があるかないか、またそれがどれ程悪いのかを詳しく調べることができます。弁膜症を見つけるのに痛みを伴う検査はないので、まずは安心して受診してください。


Q 治療するまで何度も外来に行くのが大変です

A あらかじめ紹介元の医師から情報をいただければ、何度も来院する必要はなく治療可能ですので、一度相談してみてください。


Q TAVIの入院期間はどれくらいですか?

A 約10日です。手術は1時間で、翌日から歩けます。


Q 胸を切る手術とカテーテル治療(TAVI)、どちらにするかはどのように決めていますか?

A その患者さんごとに良い方を考えて決めます。具体的には、年齢、他の臓器(腎臓や肺、脳など)に病気がないか、他に心臓の病気がないか(他の弁、狭心症など)があげられますが、患者さんの希望もくんでどちらにするかを考えます。


Q 透析している患者さんでも治療できますか?

A 可能です。




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