診療科

循環器内科

血管の病気 治療・リハビリ・検査

心臓・大血管の病気では治療のほか、運動療法に代表される「心臓リハビリテーション」も重要です。今回は心臓リハビリの最新情報を紹介します。


心臓リハビリテーション

運動、食事など3本柱で

生活習慣の改善を

「心臓のポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感・浮腫などが出現し運動耐容能が低下する臨床症候群」と定義される心不全。一度発症すると後戻りできず、大腸がんとほぼ同程度に回復が難しいなど予後不良な状態です。心不全患者は年々増加し、年間約35万人が新規発症する時代になりました。予防と治療ともに基本となるのが「生活習慣の改善」です。

心臓病・心不全になると、今までと同じ生活で良いのか、運動はどれくらい行えるのか、食事はどうしたら良いか、再発を予防するには?など、多くの疑問がわいてきます。

心臓リハビリテーションは、これらの疑問に応え、患者さんと一緒に行動するオーダーメイドのプログラムです。


有酸素運動が安全

心臓リハビリテーションは3本の柱 ①運動療法 ②食事療法 ③生活指導から構成されます。

運動療法:心臓病の種類、心臓機能など個々で可能な運動量は異なるため、その人にあった負荷を設定します。基本は有酸素運動で、ウォーキングが安全かつ効率的な方法です。息の切れない速度で1日20分~30分、週に3~4日程度行うのが良いとされます。

食事療法:塩分管理が大切で、1日の塩分摂取量は6g以下とされています。最初は難しいと感じますが、家族やメディカルスタッフの協力の下で行うと目標を達成できるようになります。

生活指導:禁煙・節酒・規則正しい生活を。心臓病増悪の原因は感染症も多く、手洗いや口腔ケアなど基本的な管理も大切です。


負の連鎖断ち切る

心臓病の人は活動を制限しがちですが、運動も必要です。安静は運動耐容能(簡単に言うと体力)が低下します。運動耐容能を規定するのは心臓機能のほかに、呼吸機能、自律神経機能、骨格筋機能が含まれます。

心臓病の患者さんは、これらも同時に低下しており、これがさらなる活動性の低下をもたらすという負の連鎖に陥っています。心臓自体は専門的治療で安定しても、これらの機能不全が残ったままでは本来の効果は期待できません。運動療法は、この負の連鎖を断ち切り活動性を上げていき、心臓病になる前の活動性を取り戻すことも可能です。

ドクターコラム
運動の処方箋を発行

患者さんに合わせて、運動の強さ、時間、頻度、方法について処方を行います。
運動の強さは、患者さんに自転車エルゴメーターをこいでもらい、その時の呼吸状態から丁度よい負荷量を決定します(心肺運動負荷試験)。
運動を行っていくと、有酸素運動に無酸素運動が加わるタイミングがあり(嫌気性代謝閾値=いきち)、この時の心拍数を維持した運動が安全で疲れにくいと言われています。
例えば、心拍数90回/分(心肺運動負荷試験で求めた嫌気性代謝閾値の心拍数)を維持したウォーキングを20分以上、週3回と、具体的かつ患者さんにとって実行可能な方法で処方箋を発行します。




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