ドクターインタビュー

消化器外科
専門スキルを活かし
消化器の全てを網羅した
質の高い治療を提供

DOCTOR INTERVIEW
消化器外科科長山内 淳一郎

#01

消化器に関する全ての分野を網羅しています

消化器外科ではまさに字の如く、消化器の疾患一般に対する外科治療を行っています。当科で行う手術は大きく二つに分けられ、悪性腫瘍、すなわち、“がん”、に対する手術と、その他の胆石症、虫垂炎、ヘルニア(脱腸)などの良性疾患に対する手術です。

悪性腫瘍に対しては、食道から胃、大腸という消化管はもちろん、肝胆膵と呼ばれる肝臓、胆嚢、膵臓に対する手術も行っています。

当科でカバーしている外科治療の領域は、移植を除き消化器の全ての分野ということになります。また定期手術だけでなく、腹膜炎などに対する臨時手術も積極的に行っています。

#02

それぞれが専門性を持つ消化器外科チーム

現在、当科は8名のチームです。30代から40代前半の比較的若い医師たちが胃がん、食道がんなど、それぞれの専門分野を持ち、日々患者さんの治療にあたっています。各々が自分の専門性分野において非常に高いスキルを持ち、短期的にも、長期的にも、手術成績は良好です。

当院では年間900例以上の手術がありますが、所帯が小さいチームのため、1人の医者が年間100〜150例近くを執刀しています。個人の専門分野で執刀となることは勿論、若手が執刀医となる際にも助手として参加し、自分の専門分野における技術と知識を教え込んでいきます。
消化器外科のメンバー中7名が消化器外科学会の専門医の資格を有し、サブスペシャリティとして肝胆膵高度技能手術専門医1名、指導医1名、さらに内視鏡外科学会技術認定医が1名と、小さくとも万全の布陣で治療にあたっています。

一方、当科では各自の受け持ち患者さんだけでなく、消化器外科に入院している全ての患者さんの状態を全員で把握する仕組みにしています。ご紹介いただいた患者さんの手術術式や手術手技の詳細も、全員で検討して決定していきます。手術の翌日には、必ず前日の手術について気にかかることはないかの情報を共有し、消化器外科全員の目ですべての患者さんの状態を把握するようにしています。

#03

ガイドラインに従って丁寧な治療を行なっています

消化器がんに対してはガイドラインに従って、スタンダードでしかも質の高い治療を丁寧に提供するよう心がけています。

患者さんはまず、東北有数のレベルを誇る当院の消化器内科で、しっかり質的診断を行い、内科での内視鏡治療で対応できるのか、外科的治療が必要かを判断します。外科治療が必要な場合には、腹腔鏡手術で対応可能か、開腹手術をしないといけないのか、切除範囲はどうするかなど、ここでも概ねガイドラインに従って治療方法を選択していきます。

救急疾患に対しても、内科と外科のコミュニケーションがうまくとれていますので、迅速に対応することができます。麻酔科、放射線科との連携も良好で、風通しの良さが大きすぎない病院のメリットと感じています。

#04

年齢や併存疾患の有無にかかわらず気軽に相談してください

当科の年間手術数900件のうち、悪性腫瘍が500件と半数以上ががんの手術です。内訳は胃がん150件、大腸がん250件、食道がん15件、さらに80件ほど肝胆膵悪性腫瘍の手術を行なっています。当院では2019年から食道がんの手術を始めましたが、元々消化器内科が食道がんの内視鏡治療を得意としていたこともあり、手術数は順調に増えています。

当科で行う900例の全身麻酔手術のうち約20%、5人にひとりは80歳以上のご高齢の患者さんです。当科では年齢だけでは判断せず、お元気なら手術をする、というスタンスで治療をしています。

患者さんの多くは仙台市内にお住まいの方ですが、気仙沼や石巻からもご紹介をいただきます。そのほかにも岩手や福島、山形などの隣県にお住まいの患者さんにもお越しいただいています。さらに、仙台近郊にお住まいのお子さんやご親戚の近くで手術をしたい、とのご希望があり、遠方にご在住のご年配の患者さんが来院されることもあります。可能な限りの対応を致しますので、遠慮なくご相談ください。

#05

地域のかかりつけの先生方へ

患者さんの年齢や併存疾患などは気にせず、どんどんご紹介ください。当院は心臓疾患の治療を得意としていますので、循環器疾患をお持ちの方、たとえば、前に心筋梗塞を患ったことがある方、不整脈がある方などの管理には豊富な経験があります。

その他の併存疾患をお持ちの患者さんも、どうぞ遠慮なさらず、まずはご紹介ください。また救急疾患については24時間いつでも対応いたします。

#06

当院に就職を希望される方へ

当科は、手術手技はもちろん、併存疾患や合併症への対応など、術前術後管理を含めた消化器外科医に必要なすべての知識、考え方を提供することができます。
他人はもちろん、自分に対しても素直に向き合える人、一生学び続けられる人と、長く一緒に働きたいと思っています。

仙台は生活するにも良いところです。ぜひここで勉強し、いい経験を積んで、一人前の消化器外科医になってもらいたいと思っています。

経歴

  • 栃木県出身 宇都宮高校 卒業
  • 1988年 東北大学 卒業
  • 1988年から 仙台オープン病院 (現仙台市医療センター)研修医
  • 1992年から 東北大学 第一外科
  • 2002年から 山形県立中央病院
  • 2006年から 仙台厚生病院
消化器外科科長山内 淳一郎
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